コンテスト ニンジャ部門 結果発表
2021.1.6
DojoCon Japan 2020
プログラミングコンテスト
ニンジャ部門 結果発表
最優秀賞
「ゴミあらしカラス対策装置」
作者
五島 舜太郎(CoderDojo瑞穂, CoderDojo日進)
作品の概要
2軸のサーボモーターでカラスのほうを向けるように工夫しました。できるだけ早く反応するようにプログラムも工夫しました。ごみを荒らすことで人間に嫌われているカラス。この装置を通して、カラスがごみを荒らさなくなり、人間とカラスが共存できる環境を作れたらいいと思っています。
プログラムURL
- カラス検知側
- サーボモーター制御側
- ライト制御側
審査員のコメント
- 「ゴミあらしをするカラス」という問題を技術で解決しようとする、素晴らしいアイディアの作品でした!モーターの制御やカラスを認識するカメラなどそれらを使いこなし、組み合わせて動いている様子がすごいと思いました。これからも身の回りの課題を解決するような作品を作っていってください!
- 自分で試行錯誤しながら改善しているのがよくわかるプレゼンだった。このプレゼンで評価がぐっと上がった。
- お父さんとやってきたことで得た技術を駆使して作り上げた、作者の現時点での集大成を思わせる作品。プレゼンで自分ひとりで作り上げたと言っていたことに、並々ならぬ自信を感じました。小中学生でも、機械学習など取り入れた作品作りが比較的容易になってきました。是非、先頭を引っ張り続ける存在でいて欲しいと思います。今後の作品にも期待しています。
- 解決したい課題が明確であり、アプローチも非常にシンプルです。アニメに登場する「秘密の道具」の開発秘話を見てるようでワクワクしました。身近なモノを使い、ハードとソフトそれぞれの特性をきちんと理解した上で無駄のない構成で組まれており、「カラスを驚かせる仕掛け」を実現できています。AIカメラによる物体認識からの自動操縦、回す・引くの基本動作(簡単なリンク機構も)を押さえているので、今後のバージョンアップにも期待が持てます。
優秀賞
「日本一周旅行クイズ」
https://scratch.mit.edu/projects/386212687
作者
川口 明莉(CoderDojo名古屋, CoderDojo瑞穂)
作品の概要
コロナで旅行に行けないので、日本一周旅行に行った気分になれる作品を作りました。県の名前や場所を覚えるのにも役立つ作品です。
審査員のコメント
- 小学生の時に欲しかった!隣接する都道府県を答えていき、日本地図を完成させていく感覚が気持ち良い作品でした。背景の動きやBGMが可愛くて好きです。是非これからも面白い作品を作っていってください!
- 立体的な日本地図ができていくのが楽しい。学校の勉強をゲームにした、その発想がすばらしい。
- 隣接する都道府県を問題にしたり、回答済みで隣接する都道府県がなければ吹き飛ばされるというアイディアもいいが、スクラッチで、都道府県や、ご当地品のスプライトを用意し、巧みに使いこなしている点がキラリと光る作品。小学校の教材にしてほしいと思ってしまう程、完成度の非常に高い作品だと感じました。
- 宿題を楽しくさせようという発想は、身近な問題を解決しようという着眼点としてとても素晴らしいです。それをコンピュータ、プログラミングでという点が、ますます良さを引き立てていました。これからも自分の周りをよく見て、困ったことを解決することを続けていくことをおすすめします。
- 「隣の県の判定」しかも「行った事のない県の判定」は、単純だけど、まさにプログラミング 的な発想(ロジック)な気がしていて、もし自身で考え出したのだとしたら、ひらめいた瞬間「やった!こうすれば出来る!」と小さくガッツポーズをしたのではないか(自分ならしちゃう)と思える、随所に工夫が活きてる作品。ひとつひとつのパーツも手作りで、大変ながらも楽しんで作ったのだろうなぁと感じる、勉強にもなってハッピーな気持ちにもなれる作品。
優良賞
「はたらきネコのリンゴ収穫日記」
https://scratch.mit.edu/projects/416908673
作者
内田 朋樹(CoderDojo倉敷)
作品の概要
Scratch + micro:bit + LEGO EV3 という組み合わせで作った作品です。子どもから大人まで楽しめます!画面内のネコと画面外の機器が連携するところがおもしろいと思います。
審査員のコメント
- めちゃくちゃワクワクする作品でした!ゲーム内の説明もわかり易くて、何度もプレイしたくなるようなゲームでした。キャラクターの見た目や動きも作り込まれていると思いました。ゲーム内で取れたりんごが現実セカイでも転がってくるのがすごい好きです。是非これからもワクワクするようなゲームを作っていってください!
- 猫の動きがユーモラスでかわいい。ゲームセンターのゲームみたいにからだを使って遊べるように工夫しているところがすばらしい。
- スクラッチと現実世界の融合という楽しそうな面ばかりに目がいってしまうが、よく見てみると、キャラクターがマスクしてあったり、地面や背景の色使い、キャラクターの目の動きや、雲の動きなど、細かい点で多くの質の高い表現を実装している。とりわけスクラッチ上部に表示されるマップが効果的に役割を果たしているなと感心しました。
- マウスやキーボード以外の装置を操作することでゲームを成立させていることが素晴らしい。操作する人がより忙しくなるための工夫も楽しかったです。
- 体を使ったゲームは数あれど、「ただ動け!たくさん動け!」ではなく、「足を使って移動して、リンゴ(ボール)を掴んで、手持ちのカゴに入れろ」と、実際の収穫を体を使って疑似体験できるのが面白い。壊れないようにフットボタンの耐久性を上げて、ゲームバランスをチューニングできたら、みんなに大人気の行列ができるゲームになりそう。
Beyond the Distance賞
「Crappy Bird: Cuti-cuti Malaysia」
作者
Chay Ze Huan(CoderDojo Penang Science Cluster (Malaysia))
審査員のコメント
- ゲーム内にマレーシアの観光資源の他所がたくさんあってマレーシアのことをもっと知りたくなる作品でした!英語がわからない私でもプレゼンでどんなゲームなのかが分かりやすく伝わってきました。是非これからも地域愛に溢れたゲームを作っていってください!
- マレーシアに行きたくなった。ゲームを楽しくするための工夫や、マレーシアを紹介しようとする気持ちがよく現れていて、この先が楽しみ。
- 母国マレーシアの紹介のみならず、ハエなどの課題についても上手く取り入れた、完成度の高い作品。難し過ぎず、簡単過ぎず、試行錯誤したことが伺えます。作品からも、プレゼンからも作者のユーモアと、短い時間で必要なことを伝えるスキルの高さを感じました。正直、英語でのプレゼンというのが、結果的にハンデになってしまったかと感じていますが、全体のテーマでもある「Beyond the Distance」を示す、勇気ある参加、本当に感謝です。
- ゲームとしての機能以外に、ハエについての課題を盛り込んだり、観光要素を含めたり、プログラミングは表現をする道具であるということがよく現れている作品でした。
- 独自の要素がたくさん盛り込まれた定番ゲームの発展形。開発にあたっては、Unityのみならず、その他のマルチメディアツールも総動員して、メッセージ性のある完成度の高いゲームに仕上げています。
限界を越えたで賞
「機械学習(ニューラルネットワーク) を最初からプログラムして、数字判定システムを作ってみる」
作者
三宅 大智(CoderDojo長津田, CoderDojo町田, CoderDojoあざみ野)
作品の概要
「ゼロから作るDeep Learning: Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」という本を参考にして作成しました。行列計算ライブラリのコードが一番長くかかりました。作ってわかったのは、スクラッチでは、計算速度が遅いので、時間がとても長くなって、システムを動かすのは不可能ではないか、ということです。制作には一か月かかりました。でも、不可能に挑戦してみてよかったです。もう少し、挑戦しつづけます。
審査員のコメント
- 最初見たときScratchの限界って見えないなぁと思いました(笑)昨今はML2Scratchが話題になっていたりしますが、その中あえて生のScratchで実装しているところがめっちゃ好きです。是非これからもScratchの可能性を広げていってほしいです!
- プログラミングに対する情熱を感じる。この才能をこのまま伸ばしていってほしい。
- スクラッチの中を見て、本当に驚いた。便利で簡単に利用できる拡張機能がある中、それを使わずに、自分で、スクラッチの標準機能だけで機械学習を作ってみようという姿勢がすばらしい。多次元配列の対応などいくつかのスクラッチでの実装上の難題に当たっても、屈することなく取り組んだこと、また、それを楽しむことができたことが、作者のプレゼンから伝わってきました。これからも、自分が面白いと感じたことを周囲の評価を気にすることなく、取り組み続けて欲しいと感じました。
- 仕組みを理解する姿勢がとてもよかったです。「もうあるからそれを使えばいい」ではないことは、基礎的な知識をつけ、増やすことにとても効果があります。機械学習だけでなく、OSやデバイスドライバーなどこれから先いろいろ挑戦してみてほしいです。
- 既にある技術を、あえて、より制約の厳しい環境で再発明するという一種の『浪漫』。挑み、そして組み上げた技術とやり抜くパワーに感動しました。こういった「探求心」こそが、技術の未来を切り開いていると感じます。
心が通じ合えるで賞
「ぶらっしゅとーく」
作者
平川 晴茄(CoderDojo宮崎)
作品の概要
ビデオ通話の機能で新型コロナでできた社会的な距離を縮めることができるWebアプリです。病院の先生にも、面会ができなくなった一般病棟に取り入れて使えそうと言っていただきました。下の動画は友達に使ってもらった映像です。
審査員のコメント
- 声が出せなくてもお互いの顔を見ながらコミュニケーションが取れるというアイディア、とても素晴らしいと思いました。またデザインも色使いやボタンの形がかわいくて、使いやすくなっている点もとても好きです。また、双方向で映像や音声を送り合ったり、テキストをやり取りするという技術力がすごすぎる・・・!多くの必要としている人たちにぶらっしゅとーくを届けていってください!
- 最近耳が遠くなった叔母とのコミュニケーションに使えるかも。これをもっと使いやすいものにしようという姿勢もすばらしい。
とてもかわいいデザイン。ひらがなを多用し、誰でも使いやすいように考慮している点からも作者の優しさが伝わる。声に出さなくても、声が聞こえなくても、会話を楽しめる、現代の社会課題の解決にも一役買いそうな素晴らしいアイディアを、具体的にシステム化するのはとても大変だったと思います。プレゼンにおいても垣間見えた作者の作品をより実用的なものにしていきたいという姿勢には、感服しました。 - 誰かの役に立つものを作るのは、とても素晴らしいことです。
- 思いやり駆動で、ニーズを熟知し、使い手の気持ちに寄り添った設計が出来ている時点で、既にわりと勝利していると思います。もちろん、それをWebの技術+クラウドサービスできちんと実現できている点も素晴らしい。
総評
今回、どの作品が一番になってもおかしくなかったことは、わずかな差しかつかなかった投票結果からもわかります。オンラインのコンテストという初めての取り組みで、ニンジャたちには、もしかしたら不本意な結果になってしまったと感じさせたかもしれません。プレゼンの時間や、投票権を持った参加者に作品を吟味していただく時間を十分にとることができなかったことは、今回一番の反省点です。しかし、どの作品もオリジナリティに溢れ、細部までよく考えられ、作りこまれた作品ばかりでした。これは、今回惜しくも6名のファイナリストに選出されなかった多くの作品においてもまた然りです。私たち審査員も約70の応募作品に触れ、非常に楽しませてもらいましたし、勉強させてもらいました。今回参加してくれたニンジャたちには、結果如何に関わらず、今後もプログラミングを楽しんでもらいたいですし、今回選出された作品を参考に、新しいことへの挑戦もして欲しいと思っています。
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